1968年の「鉄道模型趣味」誌
古本屋のサイトで古いTMSを眺めていたのですが、ヤフオクには1年分まとめて出品されている方がおり、どうせならと思って1968年分をまとめて12冊買ってしまいました。
寝る前に寝床で古いTMSを見ているのは楽しいです。最新のTMSはいけません。古い方がいいのです。
これは自分でも変わった趣向だと自覚していますが、理由はいくつかあります。
- 1960年代後半~70年代初めごろのTMSには、のちの特集シリーズ(レイアウトモデリング、テクニック、シーナリーガイドなど)の初出として掲載された記事が多い。あの記事はこんな時代背景の中で掲載されたのか、という感慨に浸れる。
- 今は写真などでしか見ることのない蒸機や電車などが、リアルタイムで走っていた時代の模型雑誌である。C59もまだ走っていたし、153系は日常見かける電車、581系は最新鋭の車両だ。
木造駅舎や蒸機関連施設は当時、目の前にあった世界なので、臨場感が違う。今それを精密に作っても、ファンタジーの世界にすぎない。 - 昔の製作記事の方が読んでいて面白い。最新のTMSの、超精密な模型を見てもなんかかわいくないし、製作記はなぜか面白く読めない。古い作品は素朴なものも多いが、材料や機材の制約はあってもひじょうにセンス良くまとめられた作品も多い。
- 3に関連するが、かなりトリッキーな観点から制作に取り組む例も紹介されている。これも読み物として面白い。
- 単純に昔から古い時代の風物が好き。1.の特集シリーズに限らず、昔の子供向けの雑誌とかを図書館で見つけると興味深く読んでいた。
特集シリーズにちらっと出ていたが、詳細がわからなかったものもかなり判明できます。
「レイアウトモデリング」中に石膏プラスターを使ったシーナリー作成の記事があり、設例として「9mmゲージの例」として掲げていたレイアウトが、4月号に紹介されています。日本のNゲージが発売になった直後の作例らしく、平面図を見ると建物は一つもない、実験的なレイアウトのようです。
保育社カラーブックス「鉄道模型」(山崎喜陽著)に出てきた、「9mmゲージ初期に大阪在住の米人ショール氏が作成したモジュールレイアウト」というのも6月号に出ています。駅から出発して途中駅を経由し、リバースで戻ってくるという構成が興味深いんですよね。シーナリーなどは簡素ですが、今でも参考になるかもしれません。
当時は16番全盛というよりほぼデフォルトで、日本のNゲージメーカーは関水金属だけ。EF70と20系寝台車(流線型の前後の車両は未発売)、高速コンテナ、C50とオハ31系、103系がすべてのようです。この年に新製品は出ていないようです。
そんな状況なのに、Nの記事はひじょうに盛んに取り上げられています。レイアウトが中心ですが、車両は輸入の欧州型で間に合わせることが多かったようです。それよりも、レイアウトが作れるメリットの方が高かったのでしょう。
また、1/80の車両も豊富とまでは言えなかったようです。自作する人が多く、パーツもそれなりに出ていたので腕次第、という面はあったのかもしれません。
この雰囲気というか、妥協点の高さは私がNを始めた70年代半ばでもそうでした。その分間口が広く、おおらかな趣味生活を楽しむ人が多かったようです。今日の特定番号機のさらに細かい点をあげつらうムードとは対照的です。今の人もそれはわかっていて、ショーティなどの製品はその表れだとは思いますが、やはりこの時代の雰囲気とは違うものだと思います。
表紙がカラーになったのは昭和40年頃からのようですが、本文にはまだカラーは使われていません。
中判かそれ以上のポジ(コダクローム)が標準だったと思いますが、意識してみるとなんとなくそういう色合いが感じられます。
当時のコダクロームの色設定、あるいは印刷の関係なのかもしれませんが、このレイアウト写真(八里九里観光鉄道)は緑の色表現がかなり個性的ですね。タオルを使っているらしいですが。



















































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