うさぎ鉄道 レイアウト制作の思い出(5)
このレイアウトを作っていた1976年から77年頃は、Nでいうと黎明期から少し進化して、一般の人がさほど無理なく自分のレイアウトを持てるようになった時期、と言えるかもしれない。マックスが日本型のストラクチャーのプラキットを出し始めたのが'75年、学研やトミーも国内製のストラクチャーを出し始めていた。
ただいずれにしても、中尾氏のプランは大人向けのもので、子供には荷が勝ちすぎた。それよりも作りかけた風景がどんどん自分の心の中に入り込み、現実よりも妄想の中でどんどんレイアウトが発展していってそこで楽しんでいる状態だった。
さんざん線路敷設と撤去を繰り返し、最初に構想したプランとはまったく違う状態のまま、このレイアウトは1977年末に終焉を迎える。
レイアウトの風景は架空のものだが、自分の心の中ではまるで自分がそこにいたかのように懐かしく思い出すことができる。
今運用中の「うさぎ鉄道」は、前にも書いたがこのレイアウトのオマージュである。基盤サイズや使用線路の関係で、全く同じようには作れなかったが、ドッグボーン型の内周線や、回り込むように流れる川を渡る鉄橋などは、まさに中尾氏のプランをなぞったものである。
このレイアウトを解体した翌年、TMSのレイアウトコンテストで、なかお氏のプランを使ってつくられたレイアウトが賞を取った。
更に翌年の’79年10月号で、詳細が紹介された。
もとのプラン(のイラスト)は、なんとなく山奥のローカル線、というムードだったが、こちらのレイアウトは作者がお住まいの南伊豆のムードを取り入れて再構成されている。
市販ストラクチャーを混じえながら、要領よくまとめられている。奥の川は海に仕立て直され、かなりダイナミックな立体感のある風景に翻案されている。
ちゃんとプラン通りに線路を敷くとこうなるんだなあ、と感心?した。同時に、レイアウト全体が意外と狭く感じられるという印象を受けた。
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