模型車両の寿命
KATO最初の電機EF70も、リニューアル品が出ますね。
高校生くらいのころ、手持ちの車両の配属表をB5のルーズリーフに書いては楽しんでいた。。手持ちの模型なんて、数十両しかなかったが、何度も書いているうちには少しずつ増えていたし、なんとなく紙に整理すると、所有欲も満たされるような感じもした。書いているうちに両数も増えてくような気がしたものだ。
その一方で、腕が悪くてぼてぼてになってしまったGMの旧型国電とか、客車や貨車を、「老朽により廃車」するのもけっこう楽しかった。。購入、組み立てをしてからせいぜい2-3年しか経っていないのにである。
実物の世界では旧国や旧型客車が盛んに廃車されて、実物誌の「車両の動き」などに掲載されていたころのことだ。
時代は変わった。今、うさぎ鉄道を走っているのは、'80年代後半から'90年代の終わりごろに購入した車両が中心だ。
もちろん最近の車両もそれなりに多いのだが、平均車齢は20年ぐらいじゃないか、と思う。よく走らせる、C11はたしか’88年春の購入、C58は’91年ごろの購入だ。リニューアルしたトミックスのEF81は、繊細なディティールと一新した動力まわり(スプリングウォームを止めた最初の頃のモデル)に感心したものだが、これも20年以上になる。
一部の模型は甥にあげてしまったので、初期のトミックスDD51などはすでに手元にないが、’82年頃に購入したEF57、EF64 1000番台などは時折使う。車齢30年を過ぎると、メカニズムの設計の問題もあるが、経年により挙動にスムーズを欠くという問題も多少出てくる。
'77年暮れに購入した、初代のトミックス113系の動力がダメになった話は、昨年ここに書いた。
'77年暮れに購入した、初代のトミックス113系の動力がダメになった話は、昨年ここに書いた。
KATOの初代EF57 。製品化は'78年末頃、私が購入したのは'82年の初めごろ。当時の標準で電磁アンカプラー仕様だった(現車は普通のアーノルトに交換済み)。
EF56を購入したとき、57もリニューアル品を買おうと思ったことがあったが(そのころ実物の保存機も見に行ったので)、そのままになっている。最近のKATO旧型電機と比べると、柄の大きさが目立つ。
34年経過した今でも、それほど走行が不安定ということはない。最近購入した同社のEF10,EF13は、どういうわけかポイントで脱線する傾向があり、むしろそちらのほうが神経をつかう。
本当に老朽化して壊れてしまう経験としては、関水の103系、キハ20などに使用されていた動力ユニットがある。電車気動車あわせて5-6両は買っていると思うが、いずれもウォームギアに接するスパーギアが削れてダメになってしまう。昔もモーターなどのパーツはカタログに掲載されて流通もしていたが、ギア周りの補修部品はなかった。メーカーに修理を頼めば、なんとかなったかもしれないが、もともと1台2,800円ぐらいと安価な模型だったので、買いなおしたほうが経済的だったのだろう。
うちでは、最後に残ったコバルトブルーのクモハ103を、慎重に走らせている。
模型個体の話とは別に、製品寿命が長くて、増産を重ねてきたロングセラーという話もある。
代表的なのはKATOのオハ31かな。製品化されたのが昭和40年と聞いているので、かれこれ50年以上作られていることになる。ただし、一般には最初からほとんど同じ仕様、と思われてるが、こちらのサイトによると、初代は現行品とはかなり異なる仕様だったらしい。同時に発売されたC50は初代、'81年のリニューアル品、今年出た記念仕様と、全く違う製品と認識されているが、客車のほうはそれほど関心がもたれていないようだ。
私が知っているのは'70年代の初めごろからだが、この40年ほどはたしかにあまり変わりがないようだ。車体色、番号表記にバリエーションが出たくらい。
ちなみに、ぶどう色2号に赤帯というルックスは、今だと考証がおかしいとか言われてしまうが、昔の16番の完成品も同じような仕様だったようだ。
同じく103系も50年近い歴史を誇るロングセラーだ。これも動力周りやパンタなどは改良されているが、車体のプロポーションなどは今見ても悪くなく、色差しさえすれば現代でも十分通用すると思う。
KATOが、別ラインの103系を新規に作りながら、旧製品をカタログから落とさずにいるのは、明らかにこの製品が歴史を背負っていることに価値を見出しているからだろう。価格面だけでなく、そうした価値を認めて購入する人も結構いるのだろう。
趣味のものなので、一定の完成度があれば、たとえ時代が変わっても変える必要はないのだ。残念ながら今は生産が止まってしまったらしいが、かつてのカワイモデル(神田の16番鉄道模型のほう。Nの貨車を出していたのとは別)の製品群などは、ある時期からはそういう目で見られるようになっていた。
子供のころ、’70年代半ばでも十分レトロに見えた電車、気動車たち-151系、153系、157系、63型、キハ35、単車の路面電車など、独特の世界観と美しい塗装、古くても良好な走行性能を備えた車両たちを、今でも愛好するファンは今でも多い。
カワイのこれら製品群は、おおむね’60年代なかばを中心に設計、生産されたものらしい。まあ、懐かしの昭和時代ですかね。。
個人的には、’70年代のカツミ、エンドウの電車。113系、165系、581系、457系あたりのディティール感が一番好きだけどな。ドアは別張りではなくプレスでへこませただけ、床下も屋根上もあっさりしているが、塗装もしっかりしているし(ヨーコーシャが担当していた、という「とれいん」の記事を読んだことがある)、モノとしての良さ、しっかり感にあふれていた。
買えないから負け惜しみで言うわけじゃなくて、今の超精密で何十万もする製品より、肉厚プラの製品より、「塗り」のきれいなカツミの国電シリーズのほうが好き。
同じように、最近のN製品たちも、ちょっと出木杉感が強くて、気疲れする。そうしないとファンが納得しないのだろう、という事情は察するけど。。まあ、時折ウェブで飛び交う、「まったくさいきんの若いもんは贅沢だ。細かいことをいちいち・・・)みたいな話になってしまうけど。。
というわけで、うちでは古い機関車、古い客車たちの出番はまだまだある。アーノルトカプラーは扱いやすいし。ライトなんか点灯しなくてもぜんぜん平気。レイアウトの考え方が古くて、昔の急カーブ仕様なので、古い車両のほうが似合っている。。
ただし、動力性能については、新しい機関車、電車のほうが断然楽。
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