グローブ型ベンチレーター
(雑談です)。
近年新製された電車は屋根に冷房装置だけ搭載していて、通風器を省略している場合が多い。屋根一面ほとんど何もなくて、すっきりしている。
ステンレス車や、スチールボディでも屋根だけステンレスにした車両などは、コルゲーションがあるので多少変化があるけど。
自作模型を作るのはやっかいそうだが・。
通風器の省略は、外見上もすっきり見えるし、保守面でも楽なのだろうね。
冷房装置自体が進化して、外気との空気交換をコントロールできるようになったのかな。
以前は冷房装置とベンチレーターを併用していた。
このベンチレーターは押し込み式ではなく、吸い出し式(ガーランド型)なのだそうだが、その話は後でするとして、とにかく通勤車に冷房がついた頃はこの併用型が主流だった。
それが近年になって、この併用型の車両についていたベンチレーターを撤去する動きが目立つようになってきた。JR西の更新車が有名だったが、近年は西武も同じようなことをしている。
この写真に写っている冷房装置、上の写真と同じ型のように見えるが、通風装置の有無で車内換気にどの程度の違いがあるのだろうか?
もしかしたら、ほとんど違いはないのかな?
この車両は西武2000N系だが、オリジナル2000系はこのような箱形ではなく、グローブ型ベンチレーターが載っている。
ちょっとわかりにくい写真で失礼・・。丸形の通風装置ですね。
かなり大きい。通勤車など、車内が混雑しがちな車両に搭載されることが多かった。理由は通風機能が強力で構造が簡単だったから。国鉄では63型から始まり、歴代の通勤車、近郊型は113系の途中まで採用されていた。また、戦前型の旧型国電が更新される際も、ガーランド型からこれに交換されることが多かった。
近郊型でも、111,113系ではこのグローブ型だったが、115系は寒冷地を走行することが多いので、押し込み型を採用していた。また、仙石線に行った72系や新潟地区の70系なども、押し込み型に改造されていたようだ。グローブ型では通風量が多すぎて、寒くなるのだろう。
103系は初の冷房付通勤車だったが、従来から採用していたグロベンはそのままに、真ん中に冷房装置を搭載して登場した。車内の熱気は室内の上の方に上っていき、そこからベンチレーターで外に排出される、一方冷気は下に落ちていくので、乗客は涼しさを享受できる、という仕組みかしら。ただ、換気効果が大きいと言うことは、窓を開けて冷房つけているようなもので、冷房の効率は落ちそうな感じがする。
201系からは押し込み式に変わったが、要は冷房時代には昔ほど通風量は多くなくてもよい、という判断が働いたのだろう。
ちなみに写真(98年5月、お茶の水)はクハ103-103ですね。この時代の事はなんとなくわかるが、今、西武2000の何番がベンチレーター撤去車なのかとか、そういうことはぜんぜんわからない。もうおじさんなので、ついて行けなくなった・・。
グロベンは私鉄ではあまり採用されなかった。外見がかっこわるいから、とかよく言われるが、安っぽく見えるのが嫌われたのだろうか?
写真は東武73で、これは終戦直後に各社に割り当てられた国電63型の更新車なので、オリジナル車のベンチレーターを引き継いだようだ。63型を元に独自設計で作った78型は、ガラベン、後には押し込み型を採用している。
阪神の7801型は、新製車だけどコストを徹底して節減した結果、ベンチレーターをグロベンにしたらしい。後に3000系に改造される際に、ベンチレーターは撤去されている。
またまたちなみに、写真(81年4月、池袋付近)は、よく見ると池袋方の1両は押し込み型ベンチレーターになっている。ということは、両端の車両はモハ7329,クハ329で、中間は7302,302ということになる。おじさんなので、その辺のことは詳しい、はずだったが、もうだいぶ忘れてきてしまった。
西武だけは、かなり長い間ふつうにグロベンを採用していた。501系、451系あたりはガラベンだったのが、後年に作られた新性能車の601,701系はグロベンを採用している。
2000系オリジナル車の大半はグロベン採用車だ。
これ故に、今でも我々はグロベンを普通に見ることができる。
確か、前にも掲載したと思うが、雪の日の2000系。車内の暖房の熱気のせいか、一つだけベンチレーターに雪が付着していない。
というわけで、だからなんなんだ、という話でした。
いや、子供の頃は結構通風器フェチだったのです。特に列車が走ると、空気が吸い出されて換気ができるというのが格好良かった・・。
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こんにちは。モモパパです。
グローブ型ベンチレーター。
たしかに最近の車両では見かけませんね。
あまり気にしたことなかったですけど。
投稿: モモのパパ | 2014年10月27日 (月) 08時35分
ロクサンや戦災復旧車から7300への更新で、グロベンが不足するはずですが一部は新規に作ったと思われます。
関東私鉄では京王や相鉄などごく一部の車両で搭載しましたが、後継が出ないのは性能過剰かメンテナンスに問題ありと判断されたのでしょう。
西武を除くと、都営10-000が今も都心で見られる存在でしょうか。
投稿: 12号線 | 2014年10月29日 (水) 07時33分
モモパパさん、コメントありがとうございます。
遅くなりまして申し訳ございません。
そうですね、普段気にしていなくて、いつのまにかなくなってしまうものって、ありますよね。
菱形のパンタグラフなんてのも、最近は少なくなってきました・。
投稿: うさぎくん | 2014年11月 1日 (土) 00時32分
12号線さん、コメントありがとうございました。
お返事が遅くなりまして、申し訳ございません。
確かに、戦災復旧車ははじめからグロベンではなかったので、新たに作り直したのでしょうね。律儀にグロベンでそろえたというあたりが面白いです・・。
その車両になぜグロベンを採用したのか、今となってはわからないことも多いですが、コストも関係あるのでしょうか。都営などはボディと似合わないような気もしますが・・。もっとも、見慣れてくるとあれはああいうもの、と認めてしまうのですが。
投稿: うさぎくん | 2014年11月 1日 (土) 00時44分