バス
バスの運転手が不足しているのだそうだ。現役の運転手も高齢化が進み、体調不良から意識を失うなどして重大事故を起こす例が急増しているという。
日経新聞25日から;
運転手不足は全国的な傾向だ。国土交通省が実施した調査によると「不足による影響が出ている」と回答した事業者は97%に達する。不足していること による具体的な影響として、6割超の事業者が「受注機会喪失や増便断念」や「運転者の休日の減少」を挙げた。会社は増収の機会を逸し、運転手の労働環境は 悪化している。人手不足は労使双方に悪影響を与えていることが分かる。
運転手不足の背景には、バスの運転に必要な大型二種免許の保有者が減っているという事情もある。2013年は01年に比べて15%も減った。
別記事では、国交省でも問題に対処するため、女性の採用を増やすなどの対策を考慮中、とある。トラック運転手も不足がちといい、一部では鉄道へのシフトも始まっているという。
他方、NHKは現役運転手の体調急変に伴う事故についてレポートしている。
NHKオンライン25日;
走行中のバスで運転手が意識を失う事故が相次いでいることを受けて、NHKが、バス会社から国に提出された事故報告書を分析した結果、運転手の体調急変に 伴う事故などの件数は、この4年間で少なくとも210件に上り、運転手や乗客など22人が死亡、174人がけがをしていたことが分かりました。
テレビニュースでは、名古屋の路線バス運転手が急に気を失って事故に至ったときの、車載カメラの様子を放映していたが、まるでパニック映画そのもののようであった。最後は駐車中の乗用車に突っ込んで、その車が押し出された様子で終わっていた。
NHKでは、原因の一つとして、運転手の年齢構成がいびつで、40代以上の運転手が75%である一方、20台は3%しかいないことを挙げている。先の日経の記事では、バス会社の対応として、2種免許取得を肩代わりしてくれるバス会社が増えていることを紹介している。若手の人で、安定した職に就けずに苦労している人などは、チャンスなのでは・・。
別の観点から見ると、これは自動運転の開発を推進するチャンスといえるかもしれない。専用線を設けるなどすれば、自動運転式のバスをというのもそう遠い夢ではないような気がする・・。
でもまあ、トラックでもそうだが、市街地を走るバスの運転手さんは大変そうだ。近くを走るバスも、狭い駅前通りをものすごく器用にすり抜けながら、停留所では客さばきもしている。日本人というのは、つくづく職人技、達人の多い民族なんだな、と思う。
バスに乗車中の事故、一回だけ経験がある。といっても、たいしたことではないが。10数年前の話だ。
1月、珍しく大雪が降ったとき、最寄りの鉄道沿線の駅に行くバスに乗った。狭い1車線の道をしばらく走ると、緩い坂の途中で対向のバスとすれ違った。路肩に寄った状態から発車しようとするが、スリップしてなかなか進まない。路肩には雪がたまっていたし、チェーンは横滑りには無力のようだ。
見ていると車体の中央付近の窓から、数センチのところに電柱が見える。何度か発進を失敗しているうちに、車体が横滑りして、電柱にコツンとぶつかった。電柱をこすった状態で、発進するのは難しそうだ。
運転手さんはドアを開けて、座席の方に降りてきて、すみません、救援を呼びますのでここで降りてください、と謝った。車内には私を含め2,3名の乗客しかいなかったと思う。
そのあとはバスを降りて、駅まで雪の中を歩いて行った。
写真は本文とは全然関係ないが、30年以上前のバスの写真。まずは大島のバス。’79年3月。この中では一番古典的なデザインだ。
奈良のバス。’80年7月。マニアの人だったら何型かわかるのだろうけど・・。方向幕が大きい分、少し新しいイメージ。
同じ頃。京都。当時は冷房なし(追記訂正:写真のバスは冷房付きだが、路線バスの冷房は普及期で、まだあまり多くなかった、・・・と、思う。う~ん、昔のこと、結構忘れてるなあ)。床は旧型の電車のように板張りがふつうで、車体も近づいて見るとリベットが多く使われいた。電車なら30年以上前に廃れていた、そうした工法を、なぜ未だにバスが採用しているのか、不思議に思っていた。
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