東京メトロのマナーポスターと雑感
朝、通勤客で混雑する車内に、ポロシャツや、派手なワンピース姿の団体さんが乗り込んできた。中学か高校生くらいの女の子たちや、そのお父さん、お母さんぐらいの年齢の人たちなど、年齢は様々だが、一様にどこか雰囲気が周りと違う。どうやら東洋系の外国人観光客らしい。イヤホンを外して会話を聞こうとしたが、言葉からどこの国かは判断できなかった。北京語ではないような気もしたが・・。
若い女の子たちはこの、押しくらまんじゅうのような状態が珍しいらしく、きゃあきゃあ言っている。それを大人の人たちが、「しぃ~っ!」とたしなめている。東京の地下鉄はみんな静かに乗るものだ、と観光ガイドに書かれていたのかもしれない。私の近くに来ていた中年の女性は、私の様子をうかがうような目で何度か視線を送っていた。彼らにしても、異質な世界に足を踏み入れたことに戸惑いを感じているのだろう。
最近のCool Japan的な視点から、東京の地下鉄は世界一だ!みたいな記事をよく見かけるようになった。線路総延長は最長ではない(ニューヨーク、ロンドン、北京、上海よりは短い)が、輸送人員は多いし、郊外鉄道との直通運転がこれだけ複雑なのも東京ならではだ。運賃は低廉で(ロンドンの地下鉄は日本のタクシー並み)電車は清潔、床にゴミなんか落ちていないし、車内は静かで人々は整然と行動している。
運行は正確だ、と書こうと思ったが、ふだん利用している者としては、やたらと後続列車との時間調整ばかりしている最近の風潮は納得しがたいので保留。だが、虚心にかえって見れば、運行も概して正確といって良いだろう。
地上のJR、私鉄を含めた、これらの都市鉄道のシステムは、日本が作り上げた世界に誇れる効率の良い交通システムだ、と私も思っている。そのノウハウは、人口密度の低い欧州の都市よりも、日本同様人口過密なアジアの各都市でこそ強みを発揮できるのではないか、と前から思っていた。実際、ジャカルタの都市鉄道ではご存じの通り日本の通勤電車が集結して、電車博物館となっているし、ベトナムにも交通システム一式の輸出が決まったようだ。
どの国に行ってもトヨタや日産の車が走っているように、日本の電車ももう少しいろいろな国に広まってくれればな、という気持ちがある。
しかし。
ふと思ったのは、日本の通勤システムがスムーズなのは、それを利用している日本人のマナーの良さに負っている部分が相当大きいんじゃないかな、と。
高度成長期やバブルの頃、よく言われたのは、日本のサラリーマンは(遅刻したくないので)、すし詰めの電車に強引に割り込んで行く。欧米人なら、たとえそれで会社に着くのが昼になろうと、満員の電車には乗らずに次の電車を待とうとする、と。
まあ、私など古い人間なので今でも結構無理矢理乗ろうとする方だが、最近は(欧米流に?)次を待つ人も多い。何年か前にも、友人とそんな話をしたことがある。その友人が、日系インドネシア人だったので、印象に残っているのだけど・。これは余談だ。
3.11のとき、首都圏の鉄道は一時完全に麻痺したが、銀座線などは夜半に動き始め、その結果渋谷駅構内などは身動きができないほど混雑し、パニック寸前の状態になった。
そうはならなかったのは、日本人の公共心の高さの表れ、という言い方もできなくはないし、実際そうなのだと思うが、だとすれば今の鉄道運行のノウハウは、世界で通用するとは限らないということになる。
実際、日本人である私自身も、乗客の我慢強さに感心したりするもんな。
今日も近所にある、某鉄道の踏切が開くのを待っていたけど、もうすぐ開くかな、と思っていると間際になって反対側の列車が来る表示がついたり、踏切の真ん中で電車が動かなくなったり、やっとこれで終わり、と思ってたら、警報器が鳴り止まず、次の特急が徐行しながら近づいてき・・。考えてみるとやりたい放題だな。
私はいいんだけど(本当は良くないけど
)そのたびに群衆の「空気」がさっと「焦れる」のがリアルに伝わってくる。自動車も、ブレーキペダルをちょっと緩めたりして、「きて」いるのがよくわかる。それでも、誰も隙を見て遮断機をくぐり抜けていくような人はいない。そういうとき、日本人って我慢強いなあ、って妙な関心をしてしまう。
これが他の国だったら、誰かが怒り出して、えらいことになってしまうかもしれない。
写真はメトロのマナーポスター。民度の高い日本人でも、こうやって日々マナーを高めようと努力を重ねるのだ。
ところで、この絵はひょっとして、「低燃費少女ハイジ」の作者と同じ方かしら。独特の真っ赤な四角い口、このCMの絵とよく似ているけど・・。
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こんにちは~。モモパパです~。
なるほど~。
おっしゃってること。
よーく分かりますヨ。
外国人からしたら全然違う風に見えるんでしょうね。
僕もどちらかというと無理やり乗り込んでしまう方。
日本人気質についてなんだか考えさせられました。
そうですね。
なんだかそっくりですね。
投稿: モモのパパ | 2014年7月10日 (木) 09時32分
おじゃまします。
この記事を読んで思い出したのですが、あの震災の時私は三鷹から埼玉県内の支店に通勤していました。当然電車はすべて止まり、会社に泊りを覚悟していました。
ところが夜11時過ぎに西武が運転を再開したおかげで帰宅できました。真っ先にシャッターを下ろしたJR、東武は翌日も運転を再開しなかったのに。
各社いろいろ事情はあったでしょうが、今でも西武鉄道には感謝しています。
投稿: ホーリー | 2014年7月11日 (金) 23時35分
モモパパさん、こんにちわ。
私も満員電車は好きじゃないんですが、考えてみるとあれ、同じ日本人同士、ある程度信用できるからこそ、近くに立っていられるって面もあるのかもしれません。景気や少子化の影響で、超過密もすこし緩和されたようですが、依然満員電車は日本ならではの名物、なのかもしれませんね。
ですよね。そっくりでしょ?
投稿: うさぎくん | 2014年7月13日 (日) 23時22分
ホーリーさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。
西武はあの後の計画停電の時も、対応が早かったですね。
あのときは私は親を途中でピックアップして、ずっと徒歩で親戚の家まで行って泊めてもらいました。JRはご指摘の通り、早々に運転をあきらめていて、通りかかった四谷の駅には、明かりを落とした中央線の電車がホームに留められていたのが印象的でした。
確かに、各社によって事情は異なると思いますが、まさかの時の対応力が、あのような非常時に現れたのかな、とも思います。
投稿: うさぎくん | 2014年7月13日 (日) 23時33分
ホーリーさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。
西武はあの後の計画停電の時も、対応が早かったですね。
あのときは私は親を途中でピックアップして、ずっと徒歩で親戚の家まで行って泊めてもらいました。JRはご指摘の通り、早々に運転をあきらめていて、通りかかった四谷の駅には、明かりを落とした中央線の電車がホームに留められていたのが印象的でした。
確かに、各社によって事情は異なると思いますが、まさかの時の対応力が、あのような非常時に現れたのかな、とも思います。
投稿: うさぎくん | 2014年7月13日 (日) 23時35分