福知山線脱線事故から8年
NHKの「クローズアップ現代」を見た。8年前に起きた、JR福知山線の脱線事故について、歴代の社長が法廷に立たされたが、刑事責任を問うことはできなかった。企業組織は権限や命令系統が複雑で、1個人が全てを掌握しているわけではない。しかし、企業そのものに対し、刑事罰を問うことはできない。
刑法は個人を対象とする法律で、法人の刑事罰を問う法律は現状ないそうなのだ。罪に問えないと知った遺族の感情はさぞかし辛かろう。
番組では、イギリスの例を挙げる。イギリスの法制度も、以前は日本と同じだったが、6年前に「組織罰」という制度を取り入れ、企業の責任を追及できるようになった。その結果、3年間で鉄道事故は3割も減少したという。
アメリカでは又別の考え方で、遺族に対し民事裁判を通じて慰謝料を支払う、という形での責任の追及が行われているそうだ。
日本の場合、金銭で責任の重さを問うようなアメリカ式はなじまないかもしれない。また、個人ではなく組織全体の連帯責任という考え方は(良い悪いは別として)日本人には受け入れやすい気もする。
なんだか堅い話になってしまった。
それにしても、あの事故はショックだった。8年前、たしか残業でかなり遅く帰宅して、深夜のニュースで知ったという記憶がある。複雑な安全システムによって守られているはずの現代の都市鉄道が、こんなに簡単に凶器に変わってしまうとは。むしろ、毎日大きなトラブルもなく運行されいてるということの方が、奇跡に近いことなのかもしれない。
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